緊急用ホイッスルカードの射出成型は結局、プロトラブズ様にお願いした話

標準

どーも(^-^)/岡本です。

これまで「緊急用ホイッスルカード」を射出成型(溶かしたプラスチックで形を作る事)をしようと挑戦していましたが、

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何度やっても出来なさそうなので、

 

プロトラブズ様http://www.protolabs.co.jp/)というプロの射出成型の会社様にお願いしました。

僕みたいな個人でも引き受けて下さる神サービスです。

しかし、あれだけ自分で射出成型しようと試行錯誤しておきながら、色々な方からアドバイスも頂いておきながら、

結局プロに任せてしまって、申し訳ないです(u_u)

これが吉本新喜劇だったら全員ズッコケるかも知れませんね。

 

これまでの経緯

さて、改めて「緊急用ホイッスルカード」のこれまでの経緯をご説明しますと、

災害等に備え、緊急ホイッスルは常に持ち歩いた方が良いのですが、持ち歩くには邪魔になってしまうのでカード型にして財布やパスケースに入る様にした製品です。

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↑普段はカード型ですが、折り曲げたらホイッスルとして使えます。

 

このアイデアが意外にも好評で、テレビでお馴染みの明和電機様からお褒めの言葉を頂いた()り、全くのジャンル違いのコンテストで審査に通ったりしていました。

 

しかし、この折曲がる構造(=リビングヒンジ)は3Dプリンタ等では実現する事が出来ません。

そこで、プラスチック射出成型という方法になります。

 

と、言う訳で、

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アメリカから小型の射出成型機を個人輸入し、

 

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CNCフライス盤で金型を削って、

 

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自分で射出成型が出来ないか試していたのですが、

 

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全く上手く行きません。上手く充填しないのです。

 

前回の更新()からも何度も挑戦しましたのですが…。

やはり、このホイッスルカードは、厚さが0.8mmしかなく、熱が金型に奪われ易いので型に充填する前に冷えて固まってしまうんですね。

そのため、例え出来たとしても安定した生産は不可能だと判断し、もうプロにやってもらう事にしました。

 

 

発注する前段階

発注に際して、作って貰ってちゃんと音がなるんだろうかというのが一番の心配です。

プロトラブズ様の営業の方に色々と教えて貰ったりしたのですが、最終的には、やってみなければ分からないというのが結論でした。

ダメ元でやってみようと思い発注する事にしました。

 

 

でも上手く行かないと嫌なので、まずは、

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同じ形状を3Dプリンタで出力し、音が鳴るかシミュレーションします。

 

これでも見た目はちゃんとした物が出来るのですが、

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3Dプリンタで出力したものはこの様に、曲げようとすると折れてしまい、リビングヒンジは再現する事ができません。

しかし、一応これでも音は問題なく鳴ります。

 

リビングヒンジの厚さとか構造については、

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近い材質のポリプロピレンをCNCフライス切削して再現し、ちゃんと曲がるかも試してみました()。

 

しかし最終的には材質や成型方法が異なるので完全には分かりませんし、

カードが薄いので成型の段階で反ってしまうんじゃないかという心配もあり、

やはり最終的にはやってみないと分からなかったです。

 

プロトラブズ様への注文はCADのデータを作って送るだけで良くて、

「今までの苦労は何だったんだ」

って思うくらいに簡単です。

自分で射出成型していた分、完成品をイメージしやすくなったと自分を納得させます。

パソコンさえ有れば、こういうサービスを使って個人でもどんどん製品作れますね。

こういうスタイルは格好良く言うとファブレスって言うらしいです。ま、要は外注ですね。

という事で、注文しました。

注文したものが完成

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注文してから3週間ほどで完成品が届きます。
(プロトラブズ様は注文から納品までの期間が長いほど値段が安くなります)

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パッカーンとダンボールを開けますと、丁寧に緩衝材の間に整然と箱詰めされています。

想像以上に丁寧な梱包でビックリしました。

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これが完成品です。うつくしい…

射出成型には付き物の、溶けたプラスチックが流れ込んで、合流した時に出来るウエルドラインが薄っすら見えます。

そして、写真だと分かりにくいかもしれませんが、肉眼で見る限り、全く反っていません。

素晴らしいですね。

 

ちなみに、3Dプリンタの出力だと、

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こんなに反っていたのに。

 

 

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リビングヒンジを曲げてみますとこんな感じです。もちろん割れません。

 

結果的に音は鳴ったのか?

結果としては、

隙間無く折り曲げたら音は鳴ります。

しかし、リビングヒンジの反発で浮きやすくて隙間ができやすいです。

そうなると音は出ません。

 

自分で使う分には全く問題ないですが、これを商品化したいなと思っていまして、

災害時にパッと折り曲げて音が鳴らないと意味が無いと考えていますので、

これを販売する場合は、ちょっとリビングヒンジの構造については要改善かなと思っています。

 

方法は僕がフライス盤で少し削るか、はたまた再度射出成型して貰うかは考え中です。

 

あとプロトラブズの方とお話しをさせて頂いたのですが、このブログをご覧になったらしく、

射出成形のプロの方に僕の拙い射出成形を見られるのはかなり恥ずかしいですな。

まあ、とりあえず今回はこんな所で。では(^-^)/

 

——
(追記)

素人の僕がCNCフライス盤で金型を作った記録#4へ続く

オリジナルマインド社製の射出成型機を使ってみました

 

緊急用ホイッスルカードの射出成型は結局、プロトラブズ様にお願いした話」への1件のフィードバック

  1. tanokura

    面白いものを作られてますね。一度直接お話をお聞きしてみたいものです。

    それにしても、ホイッスル。
    笛系の楽器の中で一番設計が難しいですよね。
    同じ原理のオカリナは簡単に作れますが、ホイッスルは本当に難しいですよね。
    特に緊急用のホイッスルは、弱い息で高音が出て、出来るだけ音量も大きいものとなると、本当に難しい。
    ぜひ、コツなど教えていただきたいものです。

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