テニスの王子様のキーホルダーを作った話

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どーも(^-^)/岡本です。

「テニスの王子様」というのは昔ジャンプで連載していた漫画の事です。

残念ながら、僕はまだ読んだことがありませんが、今でもすごい人気らしいです。今回は「テニスの王子様」好きの人に頼まれたので、CNCフライス盤でそのキーホルダーを作ってみました。(もちろん無料で。)

まずはCADで設計図を描くのですが、元となる画像をGoogle画像検索で探し、取得します。

画像はそのままでは使えないので、変換します。変換して、キーホルダー用の穴を追加しておきます。これらは漫画内に登場する学校の校章です。(間違っていたらごめんなさい)

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このCADデータをCNCフライス盤に送って、切削を開始します。材料はアルミ合金のジュラルミンです。ジュラルミンはアルミよりも硬いですが、粘りが少なくアルミよりも削り易いです。ジュラルミンもアルミ合金の一種という事で、以降はアルミと言う事にします。

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切削が完成いたしました。設計図と寸分変わらぬ完成度です。CNCフライス盤ってやっぱ便利ですね。不満があるとすれば時間がめちゃくちゃかかる事とうるさい事くらいです。

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削った部分にしま模様が出ているかと思います。これはCNCフライス盤の工具が通った跡で、ツールマーク(あるいはカッターマーク)と言う物です。凹凸があるわけではなく、爪で引っ掻くとわずかに引っ掛かりが有るかなという程度の物ですが、妙にキラキラ光って、必要以上に目立ちます。このツールマークは消すことにします。

アルミを研磨するのは「やすり」みたいな物で研磨するのが普通だと思いますが、このキーホルダーは細かい溝は幅0.2mm程度でやすりで研磨することはほぼ不可能です。

以前、僕はトイレ用の洗剤のサンポールにアルミを漬けて、ほうって置いた所、全体的に光沢が失われてしまいましたが、ツールマークを消すことはできました。その方法でも良いかと思っていたのですが、その後色々調べて見ると電解研磨や、科学研磨という方法があるみたいす。それらをやればアルミが鏡みたいにピカピカになるようなので、やってみることにしました。でも最終的に全然出来てません。

ちなみに僕自身、電解研磨、科学研磨については全く知識がありません。インターネットで検索しても、ほとんど情報がありませんでした。そこで、図書館で間宮富士雄氏著「化学研磨と電解研磨」という本を借りてみました。近所の図書館には無く、大きな図書館の司書の方に頼んだら倉庫の奥から出てきました。

こちらの本は電解研磨と化学研磨について書かれている数少ない書籍ではないかと思います。アルミの電解研磨や化学研磨には、何種類かの薬品の組み合わせが数パターンかかかれていましたが、それら薬品が素人が手軽に入手するのは困難な薬品だったり、設備が必要だったり、更に内容が専門的過ぎて素人の僕にはほぼ理解できませんでした。でも鏡の様にツルツルにならなくてもツールマークが消えて、サンポールに漬けるより綺麗ならそれで良いやと、完全な自己流で実験します。

あと化学研磨より電解研磨の方が危険が少なさそうなので電解研磨にしました。

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分りにくいですが上のプラスチックケースの左右には電極を取り付けていてます。電解液はリン酸(オルトリン酸)を使用しました。リン酸は薄いものはコーラの酸味料等に使用されていますが、これは高濃度で強い酸性ですので、肌に付いたりや目に入らない様に厳重な注意が必要です。

しかしながら食品に使われる位なら、危険なガスとかは発生しないんじゃね?と勝手に思い、本に書かれていた薬品の中では一番安全なんじゃないかと思いました。(重ねて言いますが、僕は全くの素人なので危険性は全く分かっていません。真似はされない方がいいと思います)本に書かれていた方法ではリン酸の他にも何種類かの薬品を組み合わせていましたが、他の薬品は危険そうだったので単体で使用しました。

キーホルダーを銅線で繋げて、電気を通すようにしてから電解液に沈めます。

僕の認識ですが、電解研磨というのはメッキの反対の様なものかなと思います。メッキは、電気を通すと片方の極の金属が溶けてもう片方に張り付く事でメッキがかかりますが、電解研磨はその溶ける効果で金属の表明を滑らかにする事かと思います。実際、メッキをする時とは電流の向きを逆にしました。

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直流電源をONにします。電圧・電流共に適当です。しばらく電気を流していると、両極から泡が出てきてプラスチックケースが熱を持ってきます。色々な資料を総合的に判断すると、両極から泡が出るのはおかしい様です。さらに、置いておくと電流が流れなくなりました。

その後、取り出すと

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こんな感じで、アルミのまわりには茶色い泥みたいなものが張り付きました。何なんでしょうかこれは。これが電解研磨で発生するという酸化皮膜という物でしょうか。ちなみに銅線には何も付着していませんでした。

この茶色い泥みたいなものは手で触るとすぐに取れてしまう様なものなので、歯ブラシと石鹸で磨きました。石鹸はアルカリ性なので電解液の酸性を中和します。中和をしなければ、いずれアルミがボロボロになってしまうはずなので。

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ハブラシで磨いた結果が上記の通りです。

ツールマークは消えましたが光沢も失われてしまいました。電解研磨というよりはリン酸によって表面が溶けてしまっただけみたいです。こんなややこしい事をしなくても、サンポールに入れていても同様の結果は得られそうです。表面をマット(光沢無)に仕上げる場合はこれでもいいかも知れません。ただ実験は今後もちょっと続けてみたいと思います。

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