どーも(^o^)/岡本です。
今日は僕がCNCフライス盤で削るために買った材料を一覧で紹介します。
まず、CNCフライス盤で切削するにはある程度の硬さが必要ですが(例えば柔らかなゴムなんかだと切削中に変形するので正確な切削できません)、硬過ぎても切削できませんので、材料はおのずと限られてきます。
CNCフライス盤で削る材料で考えられるのは、
- 木材
- 樹脂
- 金属
の3つが主になると思います。
以下それぞれの説明です。
情報には間違っている物も有るかもしれませんので、予めご了承ください。
木材
手に入りやすく、削りやすいのですが、反りが発生したり、細かいパーツは欠けたりする事があります。木目があるのも特徴で、美しい反面、割れたり欠けたりするので、切削の際は木目の向きにも気を配る必要があります。
さらに、木工用ボンドで接着すれば、かなり頑丈にくっつきます(クギを打つよりもボンドの方が強いです)。
なお切削の際は、木目に沿ってエンドミルを動かす方が綺麗に切削できます。木目に直角にエンドミルを動かすとササクレが出来やすいです。ただしその場合はヤスリで磨きます。
榀(シナ)
色が非常に明るい色で柔らかく、CNCフライス盤で削るのも簡単です。
安価なためマッチ棒や割り箸、アイスクリームのスプーンなど使い捨ての物によく使われています。
とても柔らかいので、せっかく作ってもすぐに傷が付いたり壊れたりするのが難点です。
使い捨てではない物を作るには向かないと思います。
耐久性があって明るい色の木材が必要なら、後述のハードメープルの方がおすすめです。
ハードメープル
こちらもとても明るい色の木材ですが、硬くて丈夫で、木目も綺麗です。
ギターの材料としても使われます。
硬いと言ってもCNCフライス盤で削るのは金属と比べれば非常に簡単です。
紫檀(シタン)
別名ローズウッドと呼ばれます。木材から薔薇の香りがする為この名前で呼ばれるらしいです。
削るといい香りがしますが、薔薇かどうかは判断が難しいところ。
紫檀の色は暗く、硬くて耐久性も高いです。
CNCフライス盤で削る場合、所詮木だからと油断していたら、エンドミル(刃)を折られてしまった事もありました。
ヤスリで磨くと、とても綺麗な光沢がでます。
かつては仏壇や高級家具、高級楽器に使われていたそうですが、現在、ワシントン条約で取引が制限されている為、入手が難しい状況です。僕はネットショッピングで入手しました。
樹液が多いので、買って随分たっている紫檀でも、削ると樹液が染み出してきます。
色が白いハードメープルと、色が濃い紫檀を組み合わせるのもオススメです。
上記写真の左側の板はハードメープルと紫檀を木工用ボンドで接着してフライス加工したものです(※記事はこちら)。
写真では分かりにくいですが、実物は黒と白のコントラストがかなり綺麗です。
黒檀(コクタン)
紫檀よりも更に黒い木材。
紫檀よりは入手しやすいかもしれませんが、やはり売っている所は少ないです。
東急ハンズ(ネットショップではなく実店舗)で売っているのを発見しましたが、値段は高めでした。
紫檀より硬いですが、その分、欠け易い気がします。
シャム柿
こちらも黒い木材。
紫檀や黒檀よりも入手が簡単かもしれません。同じく東急ハンズで発見しました。
黒檀に比べると値段は安めで、少し柔らかい気がします。
桜
やや赤味がかった木材で、入手も簡単。
ただし、木目に沿って割れが発生しやすい気がします。(上述の黒檀よりも)
CNCフライス盤での切削には、あまり小さなパーツには向かないと思われます。
余談ですが、桜の切削屑は燻製に使えます(^-^;)
切削屑や、端材が出た場合は燻製を作るといいかも知れませんよ。
桜で作った燻製の例(※燻製の記事はこちら)。
カリン
桜よりさらに赤味が強い木材。
パドック
着色したかのように鮮やかな赤色の木材。
こちらもギターの材料になったりするので頑丈です。
リオグランデパリサンダー
何かの必殺技かと思うくらい名前がカッコイイ木材。
実際、木目がはっきりと入っているので、この材料で何か作るとカッコイイはずです。
チーク
やや黄色がかった色の木材です。
丈夫で腐りにくいので、高級家具や、船の甲板などにも使われます。
切削も簡単で木目も綺麗です。特に割れ易いなど、気になったことはありません。良い材です。
ブナ
メープルと色合いもよく似ていますが、木目ではなく斑点のような模様があります。
こちらは気持ち、目が荒いような気がします。
つまり、チョークの粉の様な細かい粒子が、木の目に入り込んで取れなくなる事が他の木材より多い気がします。
CNCフライスで削った後、ヤスリがけをしましたが、その時の粒子が木目に入って取れなくなりました。洗っても取れません。
ちなみに、それらには油研ぎという対策もありますが。はやり少々難しいと思います。
ケミカルウッド
人工的に作られた木に似た材料です。(つまり木材ではないですが一応、木材の分類で)
木目はなく、切削しやすいので、CNCフライス盤で使用するのはポピュラーな材料です。
硬さと目の粗さで種類があります。
これはケミカルウッドで作った型です(元の記事はこちら)
樹脂
いわゆるプラスチックです。
こちらも入手は比較的簡単で、かつ軽い物が多いです。木材と違って木目はありませんので、向きを気にする必要はありません。
スチレン、スチロール
スチロールとも言います。微細な泡を含ませて硬化させた発泡スチロールは極めて簡単に削れるので、試作や実験で削るのに向いています。実際の部品に使った事はありません。
ポリアセタール(POM)、デルリン等
家電や、雑貨、車のパネルなどに使用されています。
ポリアセタールには色々な種類がありますが、一部の種類は、高温になると有害なホルムアルデヒドのガスが発生する場合があります。
エンドミルの摩擦熱で、ガスが発生するほどの高温にはならないと思いますが、火に近づけたり、あまり高温になる場所での使用は避けてください。
ポリプロピレン(PP)
ペットボトルのキャップに使用されている材料。無着色だと半透明。
無害なので、食品関係の物を作っても良いと思います。
粘りが強いので切削は慎重に。
薄く削れば、リビングヒンジというヒンジ構造を切削で作る事も出来ます(※)
ポリエチレン(PE)
PPと同様にリビングヒンジを作る事ができます。
ABS樹脂(ABS)
樹脂の中でもメジャーなものの一つ。熱に比較的弱い。
アクリル
樹脂系の材料の中では入手も簡単で、ほとんどのホームセンターにあります。
様々な色や、透明などもあり、PP程ではありませんが、とても柔らかいです。
ただ、柔らかいため粘りも非常に強いので、エンドミルを折られないように注意が必要です。
ちょっと大きめのダイソーにもある場合があり、ダイソーのアクリル板が一番安いと思われます。
写真はダイソーで入手したアクリル板(黄色)。ダイソーのアクリル板は、僕が調べた範囲では赤青黄色という原色のなんとも使いにくい色しかありませんでした。
CNCフライス盤の加工範囲より大きいアクリル板は『アクリルカッター』で切れます。
CNCフライス盤で加工したアクリルを『アクリサンデー』という接着剤でくっつけるのも良いかと思います。めちゃくちゃ頑丈にくっ付きます。
アクリルは切削中に特有の匂いが発生します。
これはアクリル板で作った大きなバッククロージャー(元記事はこちら)
金属
非常に硬く、削るのに時間がかかりますが美しい物が出来ます。
木材や樹脂系の材料と比べて、切削跡(ツールマーク)がキラキラと光ってかなり目立ちます。ツールマークが気になる場合は、どう消すかが難題です。
研磨、ブラスト処理などが考えられますが、安価で手軽な方法としては、光沢は無くなりますが酸に漬けるという方法も有ります。
アルミ合金
一円玉で有名なアルミニウムを主成分とする金属です。
アルミに別の金属を混ぜた色々な種類があります。
何をどれくらい混ぜているかで呼び名が変わり、Aと4桁の数字で表現されます。
以下僕が良く使う物。
純アルミ(数字はA1000番~)
たまに使うこともある純粋なアルミ。
アルミ合金の中では柔らかく、何か作品を作っても傷が付きやすいと感じます。
柔らかいとは言え、金属なのでゆっくり削らないと駄目ですし、粘りがあり、やや慎重に加工した方が良いです。エンドミルが折れます。
同じアルミ合金ならジュラルミンの方が削りやすいです。
ジュラルミン(数字はA2017)
ジュラルミンケースなどで有名なアルミに銅を混ぜた合金。僕が一番良く使う材料です。
純アルミよりも硬いですが、粘りが少なく削りやすいです。
ジュラルミンで作った巨大一円玉。
超ジュラルミン(数字はA2024)
ジュラルミンより硬い。使った事はありません。
超々ジュラルミン(数字はA7075)
超ジュラルミンより硬い。使った事はありません。
真鍮
僕のCNCフライス盤で削れる中では一番固い材料です。
CNCフライス盤用には快削真鍮というのがありますので、そちらが良いと思われます。通常の真鍮だとバリが発生し上手く削ることが出来ない場合があるようです。
まとめ
CNCフライス盤はこの他にも色々な材料を削れます。
面白い材料を見つけたらまた紹介したいと思います。
今回はこんな所で。ではまた(^-^)/~