僕が作った物の中でも褒めてもらうことの多いHicarix Badge(ヒカリックスバッジ)。
このバッジの製作過程の記事はTwitterの国内のトレンドの9位に食い込む大ヒット記事にもなった。
その後も細々と作っては販売を続けていたものの、コロナパンデミックとその後の世界的な半導体の供給不足の影響が僕のような片田舎の電子工作愛好家にも直撃。
それまでHicarix Badgeの中に使っている半導体チップ↑はだいたい1個300円くらいだった。
それが一時期8,000円超になる。1個だぞ。
Hicarix Badgeは3,000~3,500円で売っていたので完全に赤字である。
アメリカのクラウドファンディングサイトKickstarterで資金を集めようとするもうまくいかず…。
しかし、ありがたいことにいまだに再販があるかお問い合わせをいただいている。
もう一つ、Hicarix Badgeは技術者としての名刺代わりの作品でもある。
スマホアプリの開発(iPhone、Android)や、電子基板の設計、バッジののプログラム、インターネットのサーバー側プログラミング、射出成型部品の設計などなど…
僕が出来ることの全部のせなのだ。
このままではもったいないし半導体不足もほぼ完全に解消しつつあり、新しいHicarix Badge2の開発することにした。
Hicarix Badge2にはカバーを付ける
元のHicarix Badge↑では裏側の基板はむき出しだった。
HicarixBadge2では射出成型でカバーを作る。
最初のデザインはこちら。
当たり前だけどカバーを付けるとその分だけ厚くなってしまう。このデザインもめちゃくちゃダサい。
そこで一番スペースを取る電池を基板に穴をあけ入れ込むことを考えた。
そのおかげで厚みを少し減らすことができる。
また古いHicarixBadge1はブローチピンを基板に半田付けしていたのだが、それだと付け根が破損しやすい、カバーの穴に通す方式に変更。
電池を置く穴をあけて薄くするのは諸刃の剣で、電子基板が狭くなるので基板設計の難易度が跳ね上がってしまった。
配線を通したり部品を配置するスペースがギリギリだ。
カバーのデザインも改良を重ねる。当初のダサさはだいぶ良くなった。
3Dプリンタで出力して手に馴染むかとか、組み立てやすさや使いやすさをチェック。
なんと(よく見ないと分かりにくいが)カバーがついたにも関わらず以前より薄くできた。
またカバーをつけると周囲の光(環境光)を遮ることができ、読取精度があがることも期待できる。
HicarixBadgeは「白」にこだわっていて基板も白かったが、むしろカバーをつけるなら基盤は何色でもいいし、明るさセンサーへの反射光の干渉が少ない黒の方がいいかもしれない。
アニメーションスピードの改善
また実はHicarix Badgeは微妙な個体差があり、アニメーションのスピードがわずかに異なる。
複数買ってくれたお客さんがバッジを複数使ったアニメーションを作りたいと言ってくれたが、たぶんずれてしまう。(当初そんな使い方は思いつかなかった…)
Hicarix Badge2ではアニメーションのスピードの個体差はほぼなくし、ほとんど気にならないくらいにする予定だ。あと電池の持ちもちょっとよくなると思う。
実は今年の5月にデザフェスがあり、その時にお披露目しようと昨年の12月くらいから本格的に改良を続けていたが、今の時点(8月)で全然できていない。
読み取り精度も従来のものより良くしたいのだが、今年中に完成するだろうか…。