タイお化けのガスーの映画『Krasue Kud Porb』、『Demonic Beauty』、『Krasue Valentine』を見た

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今回も僕の中でマイブームになっている『ガスー』について。

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『ガスー』というのは、生首の下に内蔵がぶら下がった姿で飛び回る女性のお化けです。

僕のタイ人の友人()の村では、ガスーを何十人もの村人が目撃して、松明(たいまつ)を持って追い払った事件があったそうです。

見た目はグロテスクなのですが、色々なエピソードがあって、文化の違いを感じてとても興味深いお化けです。

(ガスーについては以前、詳しく調べているので「『お化けのガスー』について調べてみた」も見てみてください)

 

そこで、タイに旅行に行った友人と、タイ人の友人に頼んで、ガスーのグッツ買って来てもらいました。

タイ人の友人は「なぜ、そんなにガスーが好きなんだ?」というリアクションでかなり不信がっていました。

2人の友人がバンコクのビデオ店をしらみつぶしに回って探してきてくれたのが、こちら。

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ガスーの映画の『VCD』3本セットです。

『VCD』というのは映像の入ったCDの事です。

日本ではDVDが普及していてほとんど見かけませんが、アジアでは良く見かけます。

映像はDVDよりは汚いですが、その分安いです。

日本のDVDプレイヤーもほとんど対応しています。

 

ちなみに、日本語字幕はもちろん、英語字幕もありません。

僕のタイ語は、挨拶と、ごく簡単な文、数字をかぞえる位ですので、ほとんど理解できません。

表情とか身振り手振りとかでなんとなく内容が分かる程度ですが、割と楽しめました。

 

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Krasue Kud Porb(ポーブに噛み付くガスー) – 1980年

まずは、この3本の中で一番古い1980年公開の『Krasue Kud Porb(ポーブに噛み付くガスー)』です。

『ポーブ』と『ガスー』が対決するという内容です。

『ポーブ』というのは内蔵を食べるタイのお化けの事らしいです。

通して見たのですが、ほとんど内容が理解できませんでした。

もしかすると、VCDが不良品で、映像が途中で飛んでいるのかもしれないと思いました。

内容が理解できてないので確認はできません。

この映画でのガスーは心臓が赤く光り、内臓は心臓と消化器官のみのシンプルなものでした。

 

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Krasue(ガスー) – 2002年

続いて、2002年公開の『Krasue(ガスー)』です。

英語の題名は『Demonic Beauty(悪魔美人)』です。

ガスー誕生の伝説を映画化した内容で、以下ストーリーの概要です。

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タイは、18世紀半ばにクメール帝国(現在のカンボジア)を破り、美しい姫タラワディを捕虜にします。

タイの支配者は彼女の美しさを見て結婚しますが、その後タラワディが他の男と恋に落ちている所を目撃します。

タイの支配者はその男には斬首刑を、タラワディには火あぶりの刑を宣告します。

タワディは処刑を待っている間、遠い遠い小さな村に彼女に瓜二つの若い女性ダオゥが住んでいると、仲間の受刑者から聞きます。

タラワディの処刑が執行され、炎が彼女の周りに広がると、彼女はダオゥの身体に乗り移るために魂を送り始めます。

ちょうどその頃、ダオゥは村での争いから恨みを買い、呪いの魔法をかけられ死んでしまいます。

しかし、すぐにダオゥの死体にはタラワディの魂が宿り、よみがえって皆を驚かせました。

ダオゥの身体はダオウの物でしたが、彼女の一部は復讐のお化けガスーとなりました。

ダオゥは日中普通の生活をして過ごしますが、夜には飢えが彼女を支配し、頭と内蔵だけが、身体から離れガスーとなり、血と内臓を探しに飛んでいきます。

ガスーを目撃した村人は騒ぎ出します。

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この映画のガスーも、心臓が赤く光るのは同じですが、ガスーになると額に紋章が現れ、ドラキュラのような牙もあります。

首からぶら下がった内蔵には肺も含みます。

 

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Krasue Valentine(ガスー・バレンタイン) – 2006年

最後に、この中で一番新しい2006年公開の『Krasue Valentine(ガスー・バレンタイン)』です。

以下、ストーリー概要です。

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サオは、バンコクの古びたランダウン病院で働き始める若い女性看護師です。

サオの到着するのを見かけた青年ヌムは身体障害者で恥ずかしがり屋の病院の雑用係です。

薔薇売りの少女がヌムの元へやって来て、彼に薔薇を購入する様に説得します。

ヌムがお金を払うと、少女は二人の間を取り持つ為にサオに薔薇を渡しました。

その後、サオは病院の裏にある、使われなくなった体育館と古い死体安置所の近くにある古い家に部屋を借りました。

サオはこの病院に来る前に、深夜になると頭と内臓だけが体から抜け出し、ガスーになってしまうため失恋します。

その理由が分らず落ち込みますが、それを乗り越えこの病院へやってきました。

そして彼女はやはり深夜になるとガスーとなって、病院の警備員を恐怖に陥れます。

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こちらの映画も結構面白かったです。

肝心な所の意味は分りませんでしたが、この映画のガスーも赤く光ります。

キバや額の紋章はありませんでしたが、肝臓などより多くの内臓が一緒に飛んでいきます。

この『ガスー・バレンタイン』に出てくるガスーの内臓は実際よりかなり小さいと指摘されています。

 

この様に、この3本の映画でのガスーは赤く光っています。

しかし、タイで実際にガスーを目撃した村人は、ガスーは緑色に光っていたと言っていたそうです。(タイ人の友人談)