2025年総まとめと集大成のコミケ

標準

 
2025年も残り数時間となった。

今年大きな比重を占めていたのがHicarix Badge 2の開発だ。


 

2年越しのHicarix Badge 2完成

Hicarix Badgeとは僕が作った物のなかでも特にほめてもらうことの多いプロダクトだ。ご存じない方はこちら

しかしながら、コロナ禍とその後の世界的な半導体が不足によってHicarix Badgeに使っている制御用IC↓が高止まり。

300円ほどの部品が一時8000円を超えた

半導体メーカーはコロナで需要が減ると予想していたが、むしろリモートワークや巣ごもり需要などで増大した。半導体はすぐに生産を増やしたり減らしたりできないので高騰、Hicarix Badgeも数年は作ることができなかった。

半導体の値段も徐々におちつきつつあった2023年12月に、半年後(2024年5月)に開催されるデザインフェスタ59の当選連絡がきたことをきっかけにHicarix Badge 2の開発を本格スタート。

小型化のため光を感知するセンサーも小さなものに置き換え

しかし半年という期間はあっという間に過ぎ、去年のデザフェスにはもうぜんっぜん間に合わなかった。

その後も開発は続けていて、ある程度の目途が立ったので今年6月の名古屋のクリエーターズマーケット7月のデザフェスに照準をあわせる。

 

ファブレスでの開発

Hicarix Badge 2の開発は設計やデザインは僕自身が行い、実際の製造は一部を中国の工場にお願いした。自分では工場を持たないいわゆるファブレスという形だ。(実際には完全ファブレスにはならずはんだ付けや組み立ては自分でやっているけど)

ファブレスで有名なのはApple。

Appleは工場を持たず、Apple製品には「Designed by Apple in California, Assembled in China.」と書いてある。

Designed by Apple in California, Assembled in China(カルフォルニアのAppleによってデザインされ中国で組み立てられました)

カリフォルニアはシリコンバレーもあるように洗練され、先進的で、グローバルで、自由な挑戦とそれを受け入れる文化があるそうだ。そのイメージを前面に出し単なるMade in Chinaではないんだぞとブランディングしている。

Appleのような大企業と比べるのはおこがましいが、今回のHicarx Badge 2でいうと「Designed in Okayama」だろうか。

 

トラブル発生

そんな岡山で設計し、余裕をもって発注していたはずの↑の部品でトラブルが発生。

完成しているのに待てど暮らせど発送されない。

海外取引では実際には完成してない事を誤魔化すために「完成しているが発送が遅れている」などと説明されることも珍しくない。だが今回に限っては完成品の写真が送られてきており、僕ももう送るだけの状態を確認していた。

にもかかわらず何週間経っても発送されない。催促しても暖簾に腕押し。通関手続に時間がかかっているとか説明されたがFEDEXのトラッキング番号が更新されてないので発送されていないことは明白だ。

そんな見え透いた嘘をつく意味も分からない。

ファブレスの難しい部分が出てしまう。

 

紛争手続により解決

最終手段として返金を要求する紛争手続(Dispute)に踏み切る。

もし本当にお金を返されてしまったらもうクリエーターズマーケットもデザフェスに間に合わなくなる。正直なところお金を返されるとむしろ困る状況だが、事態を打開する方法が他になく、これは一種の賭けだ。

結果的には紛争手続するとすぐに発送され、3日後には荷物が届く。

何が原因だったのかは最後までよく分からずじまい。

 

6月のクリエーターズマーケット

名古屋駅前

相当の余裕をもって組んでいたスケジュールが一気に切迫したが、なんとか6月21日のクリエーターズマーケットに間に合う。

半導体が不足して以来の久しぶりのイベント出店。

クリエーターズマーケットvol.52(6月21日(土)・22日(日))

イベント出店は3年7カ月振りでクリエイターズマーケットに出たのは実に5年6カ月振り。

なのに前回出店した5年6カ月前に買ってくれた人がいまもバッジを使ってくれていた。当日持っている人までいた。

買ってもらえたことはもちろんだが、満足してくれたことが何よりうれしい。

 

7月のデザインフェスタ

幕張駅前

クリマの2週間後はデザインフェスタだ。当日の7月5日は東日本大震災を言い当てたとされる人物が再び大地震を予言した日でもあった。

ノストラダムスを経験した世代の僕としては信じていなかったものの、どこか心配な気持ちもある。

 

デザインフェスタ vol.61(7月5日(土)・6日(日))

結果的には大地震はなく無事にデザフェスへ参加できた。

隣のブースがすごい人気で僕のブースの前にも行列ができてしまい誰も近づけない状態に。行列をうまく整理してくれて結果的にはあまり影響はなかったが。

2つのイベントで得られたフィードバックを元にさらに改良を重ねる。

 

制御用ICの変更

改良するついでにさらに半導体の問題へも取り組む。

半導体の状況は落ち着いてきたとはいえ、それまで使ってきた制御用ICはいまだに供給が不安定。

コロナ前と比べて価格もまだまだ上がったままだった。もう少し落ち着いてくれることを期待していたが、他の制御用ICほど値段は下がらない。

機能面においても最初のHicarix Badgeを開発した当時、この制御用ICの選定も十分に合理的な判断だったが、その後数年で状況は大きく変わった。

そこで思い切って安定的に入手できる別の制御用ICへと変更することにした。

←従来の制御用IC、→新しい制御用IC

制御用ICは建物における基礎に近い。建物の基礎だけを取り替えることができないように、制御用ICを変えるとほぼ一から作り直すことを意味する。

これはかなり大きな決断で変更にはまた数か月かもしかしたら年単位で時間がかかるかもしれないと覚悟していた。

もし次の11月のデザインフェスタまでに間に合わなければとりあえずは元の制御用ICのままで臨もうと考えていた。

しかし新しいICは高性能で、それまでの制御用ICで工夫をしてたあれやこれが不要。例えば割り算は古いICでは遅いのでスマホの画面切替に追いつけず使わなかった。いろいろな方法を工夫して計算してたけど、新しいICだと使っても十分早い。すごくスムーズに進み十分間に合いそうだ。

見た目や使い勝手に変化はないが、内部構成は新しい制御用ICになりほとんど「Hicarix Badge 3」と呼んでもいいほど大きく変わった。

 

11月のデザインフェスタ

今年2回目の11月のデザインフェスタで新しい制御用IC版Hicarix Badge 2をお披露目。

2回連続でデザインフェスタに参加するのはコロナ前も含めて今回が初めてだ。

前回来てくれた人も多いだろうし、売れ行きは落ちると思っていたが予想に反しこれまでのイベントでも最も多くの人にお迎え頂いた。

これにより長年頭を悩ませていた半導体不足にまつわる問題はひとまず決着し、Hicarix Badge 2の開発もようやく一つの区切りを迎える。

開発が本格的にスタートしたのが2023年12月だからほぼ2年間かかりっきりだったわけだが、その反動なのかデザフェス以降、無気力で何もする気にならなくなる。

 

新色の追加

そんな中でぼちぼちと手を動かし始めたのが、新しい色の追加だった。

これまでのREDAMBERYELLOWGREENBLUEWHITEに加え、AQUAPURPLEを追加した。

AQUAはLEDメーカーが新たに取り扱いを開始した色だが、PURPLEはメーカーにお願いしてオーダーメードで作ってもらった。

8個揃うとカラフルでとてもかわいい。

 

コミックマーケット107へ

今年は12月末になってもあまり年末の感覚がない。

というのも新たに作った8色で12月30日に開催されるコミックマーケット107へ出展するからだ。

早朝の岡山空港

岡山空港に到着すると早朝にもかかわらずものすごい人だった。ようやく「そういえば年末だった」と実感する。

 

早朝に岡山を出発し、その日のうちに帰ってくるという強行軍。

実は5年前の2020年、開催予定だったコミックマーケット99に当選し出展する予定だった。その年は東京オリンピックの開催に伴い例年8月に行われる夏のコミックマーケットが5月開催へと変更された年でもある。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大によりイベントは中止となり、それ以降コミックマーケットに参加することはない。

会場の入り口付近

 

デザフェスほどではないけどたくさんの人に手に取っていただいた。

その日のうちに帰ってきた。

やっと今年の大きな行事が終わった。

 

東洋経済オンライン

ファブレスをやっていると工場で作ってもらっている間どうしても待ち時間が発生してしまう。

ちょうどそんな折に東洋経済オンラインの編集さんから「やってみない?」とお声がけをいただき、今年は久しぶりに記事を書いた。

そのうちの一本がヤフトピ(ヤフージャパンのサイトの一番目立つところ)に取り上げられるという奇跡が起こる。

それらの経緯は過去記事にあるので、ご存じない方はこちら↓

【東洋経済オンライン寄稿】快活CLUBの記事がヤフトピ入り!

これは非常に難しいことで、今年でもトップクラスにびっくりする出来事だった。

 

日本テレビのサクサクヒムヒムに出演

久しぶりに全国ネットのテレビにも出演。

【TV出演】サクサクヒムヒム 快活CLUB回にVTR出演予定

放送は見ないって言ってたけど結局見た。

 

ポテトも食べた

               

   

今年最後のポテトはコミケ帰りの羽田空港の待ち時間に食べたむさしの森珈琲のCrispyポテトフライ税込800円↓だ。

 

Hicarix Badgeの次も考え中

11月の初め頃、11月のデザインフェスタの少し前のこと。夜中の3時にふいに目が覚めてそのまま眠れなくなる。

あれこれ考えているうちにすごくいいアイデアが浮かんできて「これ、めちゃくちゃいいんじゃないか」と思ってスマホにメモし寝た。

だいたいこういうパターンは朝起きて見返すと「なんだこのクソアイデアは」と思うものだが、今回は朝起きて見返してみても「結構いいんじゃないか」と思える。

11月のデザフェス後から陥っている無気力のせいで何もやる気にならないが、来年には具現化したい。

 

再生・変化・復活の年

目玉焼を作ろうと玉子を割ったら黄身が2つ入ってた

今年は巳年だ。ヘビは脱皮をすることから再生・変化・復活の象徴でそういう年になる、と聞いた。

長年にわたり悩まされていた半導体の問題は概ね解決できたし、念願だったコミックマーケットにもついに参加できた。まさに再生・変化・復活の年になったんじゃなかろうか。

みなさんの一年はいかがでしたか。

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