小顔になろうとして『巨大一円玉』を作ったら芸術家に間違えられた話

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どーも(^-^)/

頭(顔)が大きい事には定評があります。岡本です。

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僕は頭が大きすぎて小学校の頃の赤白帽は特注でしたし、集合写真を撮る時に後ろの列に立っても、前の人より顔がデカイという事は多々あります。

遠近法を完全無視する顔の大きさです。

そんな僕が「小顔で写真に写りたい!」と願うのも自然な流れでした。

恐らく僕と同じように世の中には小顔で写真に写りたいと思っている人は結構いるんじゃないでしょうか。

さて、大きさの比較写真では、よく一円玉を置いています。

それならば、もし巨大な一円玉を作って一緒に写真を撮れば、僕でも小顔に見えるはずです。

 

まずは、法律上どうなのか調べてみました。

使う目的で作るとダメらしいです(詳しくはWEBで)。でも使う目的っていう言葉もどこまでか明確ではない様で、とにかく、あまり似せるとヤバそうです。

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100円均一で売っているお金のおもちゃは結構似てますが、軽いからでしょうか、OKっぽいです。(このおもちゃには一円玉がありません。)

今回間違っても使えない様に、明らかに本物と区別がつくくらい巨大なのを作ってやろうと思います。まあその方が主旨にもあってますし。

 

と、いう訳で、前置きが長くなりましたが、巨大な一円玉を作ります。

 

巨大な一円玉を作ろう

さて、そんなわけで、まずは元となる普通の一円玉の大きさを測定します。

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一円玉は直径2cmですが、厚みの方は結構ばらつきがあるようです。

Wikipediaでは約1.5mmとなっていたので1.5mmとして計算します。ただ、刻印の深さは確かなデータがないので全く分かりません。見た目が一番それっぽく見える深さにしました。

作成する巨大一円玉は、厚み1cmのアルミ合金の板から削りだします。

測定した直径と厚みの比率から、直径を算出すると133.33mmとなり、普通の一円玉の6.66倍です。

体積は実に296倍となります。

大きさが決定したところで、早速製作に取り掛かります。

まずはパソコンでCADデータ作成し、切削用データを作成します。

 

続いてCNCフライス盤で切削を行います。

CNCフライス盤について簡単に説明すると、今話題の3Dプリンタの逆の機械です。3Dプリンタは樹脂を積み上げて形を作るのに対し、CNCフライス盤は逆に削り出して形状を作る機械です。

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アルミ板をセットして、切削をスタートします。

このアルミ板は1枚1600円くらいするのと、削るための刃(エンドミルといいます)が高い物は一本数千円します。エンドミルは少しでも無理な力が加わるとすぐに折れてしまうので、失敗するとかなり痛いです。

慎重にセットして、あとはとにかく待ちます。

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ネットサーフィンをしながら待つ事、一日。片面が出来上がりました。

本当は昼寝でもしながら待ちたかったのですが、この機械は動作音がうるさすぎて、動いている間は眠れません。

ひっくり返して、もう片方の面も削ります。ひっくり返した時に裏と表の位置がズレない様に細心の注意を払います。

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また待ちます。

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削り終わりました。

しかし、削った部分がしま模様になってます。

このしま模様はCNCフライス盤の刃が通過した経路に、刃の回転で出来る細かい傷が付き、光を反射しています。写真での見た目とは裏腹に凹凸はほとんどありません

しかし、これだと見た目が良くないので、酸性の液体に沈めます。

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細かい泡が出てきました。

アルミは酸に溶けるので、これで表面が少し溶けると思います。

このまま暫く待ちます。

引き上げて見ると、なぜか全体的に茶色の泥みたいな物が付着しました。

なんだか10円玉みたいです。

この泥は簡単に取れるので、古い歯ブラシに石鹸をつけて磨きます。

この通りしま模様が消えて、巨大一円玉が完成です。横にあるのが普通の一円玉です。

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重さは普通の一円玉の299倍(ほぼ計算どおり)。

手で持つとこんな感じ。ずっしりと重いです。ちょっとした鈍器としても使えそうです。

財布には半分くらいしか入りません。

 

では、ついに、この巨大一円玉と一緒に写真を撮ります。

緊張の一瞬です。


おっ!小顔に見える!!!!!?

少し変な感じもしますが、一円玉の大きさが2センチとしたら、僕の顔の大きさは4センチくらいに見えます。異常な小顔です。

一円を持っている手の事は気にしません。「人は見たいものしか見ない」byカエサル

集合写真を撮る時やプリクラを撮る時でも、顔の横に、この巨大一円玉をさりげなく見せつけると、いつでも、誰でも小顔になれます。

 

色んな人に小顔になってもらおう!

せっかく巨大な一円玉を作ったので、色んな人に小顔になって欲しい!と思います。

観光客が集まる倉敷の美観地区に移動しました。

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倉敷の歴史的な町並みの中で巨大一円玉を置いて、写真を撮影し始めます。

倉敷の街がミニチュアに見えるかもしれない。

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全く見えません。なんだか、普通の一円玉が近くに置いてあるだけの様です。

僕が一円玉を持ってうろうろしていると、色々な人(主におじさん)から「何してるの?」とか「それ何?」と聞かれます。

そこで一円玉を見せて「この一円玉と一緒に写真を撮ると小顔になれるんですよ」と言うと、「これ凄いなー」とか「これ自分で作ったの?」などと大喜びしてもらえました。

 

他にも、「芸術家か何か?」とも聞かれました。

僕はどう説明していいのか分からず、というか説明することを諦め「…ええ。そうです。」と。まあ、これも芸術みたいな物です。

 

自分は芸術家だと思い込んだら、不思議と恥ずかしさがなくなりました。

小顔になれるんで、この一円玉と一緒の写真を撮らせて下さい」と道行く人にお願いしていきます。

小顔になりたい願望はみなさんあまりお持ちではないのか。僕の風体が怪しいからか。ほとんど断られます。

しかし、興味を示してくれる人もチラホラ。色々な人と話が出来て楽しかったです。

巨大一円玉で、

小顔になるつもりが、顔が広くなりました。

おしまい。

 

 

———
(追記)

こちらのブログ記事はニフティ株式会社のデイリーポータルZ 新人賞2014 記事部門で佳作を頂きました

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